研究概要 |
オールセラミックス修復物の強度は,その表面性状により影響されることが知られている。そこで,キャスタブル・セラミックスを種々の埋没材(埋蔵どん:MD,CDインベストメント:CD,ユニベストフリー:UF,鋳型温度(500℃,550℃,575℃)で鋳造し,キャスタブル・セラミックス表面の表面粗さや表面構造の観察を行い,表面性状の違いが,クラウンの強度に及ぼす影響を検討した。また,弾性率の異なる2種の合着セメント(パナビアフルオロセメント:PV,スーパーボンドC&B:SB)を用い,その強度への影響を検討した。 埋没材の種類によって中心線平均粗さ(Ra)はUF,MD,CDの順に小さく,UF,CDでは鋳型温度が高くなるほど大きくなる傾向を示した。鋳型温度550℃,575℃で本来の結晶構造よりはるかに大きい20〜50μmの針状結晶層が表層に出現した。埋没材の種類,鋳型温度により,キャスタブル・セラミックスの表面性状は大きく影響を受けることが示唆された。 キャスタブル・セラミックス・クラウンの圧縮破壊強度は平均約90〜130kgfであり,埋没材の種類,鋳型温度に影響されなかった。また,SBに比較して,PVで若干大きくなる傾向にあった。
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