研究課題/領域番号 |
10771105
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
内田 馨子 鶴見大学, 歯学部, 助手 (20298269)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 光重合 / コンポジットレジン / 光透過性 / 光強度 / フィラー / モノマー / 屈折率 / 臨界照射量 |
研究概要 |
昨年度の実験結果から、マトリックスとフィラーの屈折率の差がレジンの重合性および光透過性に影響を及ぼしていることが示唆された。この結果を基にBis-GMA,TEGDMAの組成比を変えた種々の試作モノマーと、それにフィラーを加えてコンポジット化したものについて実験を行い、成分の屈折率の変化が光重合コンポジットレジンの重合性に及ぼす関係についてさらに詳しく調べた。 試作モノマー6種の屈折率は、すべてのモノマーで重合後、ポリマーになると高くなっていた。また、光照射中に透過する光強度を測定したところ、重合前後の屈折率の変化に影響されることなく、すべての材料が照射開始直後から透過光強度が上昇し、その後は一定となる傾向を示した。また、試作モノマーに屈折率の異なるフィラーを加え、光重合レジンを試作し、光照射中の透過光強度を経時的に測定した。試作した3種のうち、2種の光重合レジンは重合によって大きくなったマトリックスレジンの屈折率とフィラーの屈折率の差が小さい値を示したものが透過光強度が強く、差が大きいものは光強度が弱かった。この結果から、フィラーの屈折率が重合後のモノマーの屈折率により近い方が光透過性が高く、重合に伴うマトリックスレジンとフィラーの屈折率の差の変化がレジンの重合性および光透過性に影響を及ぼす因子であることがわかった。しかし、1種の試作レジンだけは、屈折率と透過光強度のこの関係は完全にはあてはまっていなかった。 よって、光重合レジンの光透過性は、重合に伴い、フィラーとマトリックスレジンの屈折率の差が変化し、その界面における光の散乱量が変わることによるといわれているが、本実験の結果から、マトリックスレジンとフィラーとの屈折率の差に大きく影響されるが、成分の屈折率だけでなく、フィラーの粒径や種類なども光透過性に影響する一因であることが示唆された。
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