研究概要 |
本研究は、ラットを用いて、吸啜から離乳期を経て咀嚼に移行する過程の咀嚼筋運動支配神経に対して、MAPK(mitogen-activated protein kinase)cascadeの関与について調べることであり、免疫組織化学染色およびin situ hybridization(ISH)により、三叉神経運動核・中脳路核におけるMAPK蛋白およびそのmRNAの発現を経時的に観察し比較検討することである。 現在まで、生後2,6,10・・・30,84日齢のラットの脳を摘出し、パラフィン包理してあり検体の採取は終了している。一方、ラット脳よりAGPC法でtotal RNAを採取し、Oligotex TM-dt30(Roche)を用いてmRNAを抽出した。抽出したmRNAよりFirst strand cDNA Synthesis kitを用いてcDNAの合成を行った。cDNAをtemplateとして、Polymerase Chain Reaction(PCR)により、ERK1,2、SAPKおよびp38のcDNA特異領域を増幅し、塩基対をpcDNA2 plasmidvectorに挿入後大腸菌にtransformationした。大腸菌を大量培養後plasmidを抽出しDig RNA labelling kitを用いて、digoxigenin標識RNA probeをsence,antisenceの2種類作製した。 現在ERK1,2、SAPK、p38蛋白に対する免疫組織化学染色はほぼ終了しているが、今後染色結果の解析を行う予定である。また、mRNAの発現については、今後ISHを行い検討していく。
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