研究概要 |
CD26/dipeptidylpeptidaseIVは細胞膜表面酵素であり、免疫反応や炎症反応に深く関与していることが知られている。研究代表者はCD26の発現をフローサイトメーターを用いて調べたところ、歯肉線維芽細胞は低発現を示したが、肺および皮膚由来線維芽細胞においては、構成的に発現していた。歯肉線維芽細胞の活性化に伴うCD26の発現誘導の可能性を検討したところ、IL-1α,TNF-α,IFN-γ,Porphyromonas gingivalisおよびPrevotella intermedia由来のLPS刺激により、有為に発現が誘導された。中でもIL-1αがもっとも強い活性を示した。その発現誘導には、酵素活性が伴っているた。定量性RT-PCR法を用いた実験から、CD26発現誘導はメッセンジャーRNAレベルで調節されていることが分かり、経日的解析から、CD26蛋白誘導には5日間、メッセンジャーRNA誘導には48時間を要することが分かった。さらに、サイクロヘキシミドにより、IL-1αによるCD26メッセンジャーRNAの発現が抑制せられたことから、新生蛋白合成を必要とする反応であることが分かった。歯周病の発症と進行にCD26/dipeptidylpeptidaseIVがどのようにして関与しているか、現在解析中である。
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