研究課題/領域番号 |
10771292
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
永井 純也 広島大学, 医学部, 助手 (20301301)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 腎有機アニオン輸送 / P-糖蛋白質 / 培養腎上皮細胞OK / アデノシン / グルココルチコイド |
研究概要 |
腎有機アニオン輸送及びP-糖蛋白質介在性輸送の活性調節について、培養細胞系を用いたin vitroレベルおよびラットを用いたin vivoレベルでの解析を行った結果、以下の知見が得られた。 腎有機アニオン輸送の活性調節:有機アニオン輸送を解析する上で有用なモデル細胞系である培養腎上皮細胞OKを用いて、有機アニオンp-aminohippurate(PAH)輸送に及ぼすアデノシンA_1レセプターアンタゴニストKW-3902の影響について検討した。その結果、OK細胞におけるPAHの側底膜側から頂側膜側への経細胞輸送(尿細管分泌方向に対応)及び側底膜輸送のいずれもがKW-3902処理濃度依存的に阻害されることを見出した。また、別のアデノシンA_1レセプターアンタゴニストDPCPXで処理した場合においても、側底膜PAH輸送は阻害されることを認めた。さらに、adenosine deaminase処理によっても側底膜PAH輸送は低下することから、腎尿細管においてオータコイドとして作用するアデノシンが腎有機アニオン輸送の活性調節に関与していることが示唆された。 P-糖蛋白質介在性輸送の活性調節:グルココルチコイドであるデキサメタゾン(DEX)をラットに投与後3ないし4日目に、P-糖蛋白質基質ローダミン123(Rho123)の体内動態を解析したところ、対照群に比べ著しくRho123の全身クリアランス、腎クリアランス、消化管分泌クラアランス等が上昇していることが観察された。また、Western blot解析を行った結果、DEX投与によって腎皮質および小腸におけるP-糖蛋白質の発現量は増加しており、クリアランス実験で得られた結果と対応していることが認められた。 以上、本研究において薬物輸送である腎有機アニオン輸送及びP-糖蛋白質介在性輸送活性がホルモンやオータコイドによって調節を受けることが示された。
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