研究課題/領域番号 |
10771300
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
瀧井 猛将 名古屋市大, 薬学部, 助手 (80244573)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | インターロイキン1 / インターロイキン1レセプター / チロシンキナーゼ / 線維芽細胞 / レドックス |
研究概要 |
本研究の目的は、リン酸化反応、レッドクスによるIL-1RI発現調節機構を明らかにし、IL-1の作用調節の可能性を探るものである。そこで、本研究ではチロシンキナーゼの特異的な阻害剤、還元剤、抗酸化剤を用いて検討した。 ヒト線維芽細胞株TIG-1にチロシンキナーゼの阻害剤であるゲニステインやチロホスチンで処理すると、^<125>I標識したIL-1の結合をゲニステインは用量依存的、また、経時的にも抑制した。スキャッチャードプロット解析の結果、ゲニステインはIL-1RIの親和性を変えることなく、細胞表面上のレセプター分子を減少させていたことから、恒常的なIL-1RIの発現にはチロシンキナーゼが関与していることが、本研究で初めて明らかとなった。しかし、ゲニステインはIL-1RI mRNAの発現を抑制しなっかったことから、ゲニステインは転写後の調節に働いていることが示唆された。更に、蛋白合成阻害剤であるサイクロへキシミド存在下でもゲニステインの作用が認められたことから、ゲニステインは翻訳過程以後に作用していることが示唆された。次にIL-1RIの減少がIL-1のシグナルの抑制につながるか、ゲニステイン前処理により、細胞表面上のIL-1RI分子を減少させておき、培地交換でゲニステインを取り除いたあと、IL-1刺激によりIL-1RIに会合するセリシスレオニンキナーゼであるIRAKの活性、IL-1誘導インターロイキン6(IL-6)の産生を検討した。何れの活性もゲニステイン前処理によって抑制されていた。これらのことから、IL-1RIの発現を調節することで、IL-1の作用を調節することができることが示された。 一方、2-ME、DTT、NAC等の還元剤、抗酸化剤をTIG-1細胞に作用させると、IL-1RI mRNAの発現を抑制した。このことからIL-1RIの発現はmRNAレベルにおいてレッドクスによる制御を受けていることが明らかとなった。
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