研究課題/領域番号 |
10771306
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
安達 栄樹 理化学研究所, 細胞生化学研究室, 先任研究員 (60291051)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | SREC / リガンド / vimentin / 血管内皮細胞 / スカベンジャー受容体 |
研究概要 |
SRECは種々の血管内皮細胞に存在し酸化LDLの受容体でもあることから動脈硬化初期病変における血管病変を説明しうる分子のひとつである。SRECを高発現させたCHO細胞はアポトーシス細胞や通常用いられる高度に酸化した酸化LDLに対する親和性は低いことを明らかにした。そこでSecretion-trapexpression cloning法により生理的リガンドの単離を検討した。得られたクローンのうち塩基配列の決定によりvimentinがSRECのリガンド候補であることが示唆された。SRECとvimentinは免疫沈降法により共沈することから細胞外ドメインとvimentinが相互作用しうることを明らかにした。 vimentinは間充織由来の細胞における中間系フィラメントの構成蛋白であり、cGMP-dependent proteinkinaseやPKC-δと相互作用することが明らかにされている。また心臓移植の際の拒否反応に際して生じる疾患状態TxCAD(transplant-associated coronary disease)において血中に増加する抗内皮細胞抗体の抗原のひとつがvimentinであることが示されている。また私共はvimentinが細胞内のコレステロールの細胞内輸送に関与することを明らかにしてきた。内皮細胞障害により遊離した微量なvimentinの四量体や重合した中間系フィラメントとしてのvimentinの除去にSRECが寄与する可能性が示唆された。また可溶性のSRECが血流中に増えることは抗内皮細胞抗体が増加したような状態であり内皮細胞の傷害を引き起こす可能性も示唆された。 現在さらにリガンド候補を単離を継続している。リガンド候補の生理活性の解明やノックアウトマウスの解析を通じて本受容体の生理的役割を明らかにしたい。
|