研究課題/領域番号 |
10771341
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
|
研究機関 | 名城大学 (1999) 岐阜薬科大学 (1998) |
研究代表者 |
灘井 雅行 名城大学, 薬学部, 助教授 (00295544)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | エンドトキシン / セフォペラゾン / 胆汁中排泄 / 腫瘍壊死因子 / 肝臓中濃度 / デキサメタゾン / 血小板活性化因子 / 顆粒球コロニー刺激因子 / 免疫・炎症反応 / 白血球 |
研究概要 |
エンドトキシン(LPS)による薬物胆汁中排泄の低下作用の機序と生体防御反応の関与をセフェム系抗生物質セフォペラゾン(CPZ)を用いて検討し、以下の知見を得た。 1) LPSによるCPZ胆汁中排泄の時間依存的変化と血漿中腫瘍壊死因子(TNF)濃度 CPZを定速静注したラットにLPS 1mg/kgを静脈内投与したところ、CPZの胆汁中排泄クリアランス(CLb)がLPS投与直後から急激に低下した。CLbはその後若干回復し、投与60分後から120分後までコントロール群の約70%の値を示した。一方、血漿中TNF濃度はLPS投与30分後から徐々に上昇し、60分から75分後にピークを示した後急速に低下した。以上の結果、LPSによる薬物の胆汁中排泄の低下にはTNFの関与は小さいことが示唆された。 2) CPZの肝臓内動態に及ぼすLPSの影響 LPS投与120分後の肝臓内CPZ濃度はLPSの投与量に依存して増加した。しかし、血漿中濃度に対する比(肝臓中濃度/血漿中濃度)はコントロール群、LPS投与群ともほぼ一定であった。したがって、LPS投与によって肝臓から胆汁中への排泄が障害され、CPZの肝臓中濃度、血漿中濃度が同程度増加したことが推察された。 3) LPSによるCPZ胆汁中排泄低下作用に対する副腎皮質ステロイド、血小板活性化因子 (PAF)拮抗薬の効果 LPS投与60分前に副腎皮質ステロイドデキサメタゾンを前処置したところ、LPSによるCLbの低下が有意に抑制された。同様にPAF拮抗薬TCV-309を処置したラットでもCLbの低下が有意に抑制され、またY-24180の前処置によっても同様の傾向が認められた。さらにPAF自身の投与によりCPZのCLbが低下した。以上の結果からLPSによる薬物胆汁中排泄の低下には炎症反応が関与し、そのメディエータの1つとしてPAFが関わっていることが示唆された。
|