研究課題/領域番号 |
10780005
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
北村 勝朗 東北大学, 教育学部, 助教授 (50195286)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | スポーツ / 才能 / 文化・社会的環境 / deliberate practice / エキスパート |
研究概要 |
本研究の目的は、スポーツの領域において類稀なる技能を獲得した選手及びそうした選手を育てたコーチを対象とし、「才能が」発達していくプロセスにおける決定要因としての高度に構造化された継続的・反復的練習(deliberate practice)を検証することにある。Ericsson K.A.のエキスパート理論に基づき、選手等が卓越した競技力を獲得するに至る経緯を、当該スポーツ活動に参加した幼少期から青年期に至るまで、deliberate practiceの総量及びそうしたdeliberate practiceを保証する社会・文化的環境要因に注目し、詳細に描写しつつ分析を行った。全国レベルあるいは国際レベルの大会出場経験をもつ日本の一流スポーツ選手に対し、詳細なインタビュー(in-depth interview)を実施し、その結果を定性的データ分析法により、遺伝的要因、努力要因、意欲要因、人的環境要因、及び物的環境要因について分類し分析を行った。本研究により、選手の卓越した才能発達プロセスに関し、下記4点が明らかにされた。1.当該スポーツに触れる導入期において当該活動に傾注していく体験を得ることが、その後開始されるdeliberate practiceへの準備として大きな意味を持っていることが指摘される。2.専門的練習が開始される練習開始期においては、当該活動に必要な基礎的技能・知識及びその習得方法についての継続的、構造的な指導の重要性と同時に、当該活動に専心する自己認識の形成の重要性が指摘される。3.Deliberate practiceの総量は平均1万2千時間であり、継続練習年数の平均は約10年であった。この点でEricsson等によるルールが支持された。4.日本のエキスパートスポーツ選手の才能発達において、遺伝的要因は必ずしも決定的要因ではない点が推察された。
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