研究概要 |
本研究では、骨格筋に熱ストレスを加えた後のストレス蛋白質の分布変化を検討した。実験には、ウィスター系雄ラットを用い、骨格筋を42℃で1時間加温し、その後、回復0,2,4,8,12,24,36,48,60時間後のストレス蛋白質の発現変化を、電気泳動法、ウエスタンプロッティング法により経時的・定量的に分析した。その結果、ヒラメ筋では、HSP60、HSP72、HSC73ともに回復4時間以内に有意な増加がみられた。一方、足底筋では、HSP60は回復直後(0および2時間)に有意な増加がみられたのに対し、HSP72は回復24〜48時間で有意に増加した。また、HSC73には変化は認められなかった。これらの結果から、骨格筋に熱ストレスを加えた際のストレス蛋白質の発現変化は、そのアイソフォームにより異なること、また遅筋のヒラメ筋と速筋の足底筋では発現パターンに違いが見られることが明らかとなった。
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