研究概要 |
本年度は,前年度に開発した計測システムを利用して,スプリント走の動作改善(教育)システムを構築するために,本計測システムの実践的利用の有効性と限界について明らかにすることを目的して実験を進めた. まずは,昨年度より課題となっていたスパイクシューズをはいた場合の計測誤差の問題について検討した.その結果,プログラムの補正及びマットスイッチを覆うゴムシートの工夫で解決はできなかった.そのため,本システムで改善するスプリント走は,シューズで行うこととした. 計測システムより得られる情報(接地時間,空中時間,ピッチ,ストライド長)は,大学短距離選手の動作を改善させるきっかけには十分であった.特に,時間的な情報は,有益であった.しかし,中学生では,少しとまどいが見られ,改善というよりは,改悪(速度が低下)する事例も見られた.その場合,ストライドの情報が改悪する誘因となっていた. 計測区間ととしては,中間疾走時より地面との接地時間が長いスタートから15m区間がもっとも学習者にとって有益であった.
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