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中・小規模天然ダムの決壊による河川の土砂移動と地形変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10780066
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 自然地理学
研究機関立正大学

研究代表者

島津 弘  立正大学, 地球環境科学部, 講師 (90251909)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード山地河川 / 天然ダム / 崩壊 / 土砂移動 / 段丘 / 河床上昇 / 手取川 / 十津川
研究概要

豪雨により発生した崩壊が河谷をせき止め形成された天然ダムの形成・決壊と土砂移動・地形形成の関係を明らかにすることを目的として調査,解析を行った.対象地域は1889年8月の豪雨によって30カ所以上の天然ダムが形成された奈良県の十津川流域と,1934年7月の豪雨により大規模な河谷の埋積と巨大な岩塊の移動が生じた石川県の手取川流域である.当時の災害記録,空中写真の判読,現地における測量,堆積物の観察によって,天然ダムが形成された場所の特定と形成・決壊の過程,時間的推移の推定,土砂移動プロセスと河谷埋積後の地形変化過程を検討した.
十津川流域では,30以上の天然ダムが形成・決壊した.一部は上流のダムの決壊による増水が引き金となり決壊を起こした.ダムの継続時間は一般に数時間程度であったが,数m以上の厚さの堆積物が堆積した.堆積物はノーマルグレーディングをしており,表層はシルト質堆積物であった.十津川本流に沿っては,段丘化した当時の堆積面と現在の河床との比高は小さが,一部の支流では数10mにもおよぶ埋積とその後の下刻が生じた.手取川流域では,数10mにおよぶ河谷の埋積が生じたが,その後,15年程度の間に現在の河床近くまで河谷が進み,その後現在までの50年間の下刻はわずかであった.以上から天然ダムの形成・決壊による土砂移動は次のようにまとめられる.天然ダムの決壊によって大量の土砂移動が生じ,河谷の埋積が起こる場合と,天然ダムの継続中に滞留した水中で主として細粒土砂が堆積する場合がある.前者の場合はイベント後の数年間に急激な下刻が生じるのに対し,後者の場合はゆっくりと下刻が進み,徐々に土砂が排出される.

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 島津 弘: "天然ダムの形成・決壊と日本の山地河川における土砂移動"立正大学環境科学研究所年報. 1. 25-26 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] Shimazu,H.: "Grain size of riverbed materials of Japanese mountain rivers."Proceedings of Korea-Japan/Japan-Korea Geomorphological Conference. 24-27 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] Shimazu,H.: "Debris transport caused by failure of the landslide dams occurred in 1889 along the Totsukawa River, central Japan"Proceeding of Korea-Japan/Japan-Korea Geomorphological Conference. 161-162 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 島津 弘: "山地河川の地形と土砂移動プロセス" 立正大学文学部論叢. 108号. 53-71 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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