研究概要 |
1.『経済小学 家政要旨 後編』の原典について(平成10年度の研究内容) 『経済小学 家政要旨 後編』の原典は、Andrew Combe(1875)The Managrment of Infancy,D.Appleton and Compny,New YorkおよびTohmas Bull(1876)Hints to Mothers,Longmans,Green,Co.,Londonである。 2.『家内心得草』(附録)の原典について(平成11年度の研究内容) 『家内心得草』(附録)の原典は、Mrs.Warren:How I Managed My House on Two Hundred Pounds A Yearである。本研究ではMrs.Warren(?)Comfort for Small Incomesを入手することができた。同書はウォーレンが著した5冊の著作を含む合冊本である。そこで同書に含まれるHow I Managed My House on Two Hundred Pounds A Yearを『家内心得草』(附録)の原典として両者の比較検討を行った。その結果、『家内心得草』(附録)はこの原典の第1章10ページにあたることがわかった。その訳文は原文に忠実に逐語的に訳すのではなく、内容の概略を文語体で訳されているため、「抄訳」とあることが推測される。 3.『家事要法』の原典について(平成11年度の研究内容) 文部省(海老名晋)訳『家事要法』(1881)はこれまでアメリカ家政学の先駆者と称されるビーチャーとストウ姉妹(Catharine E.Beecher and Harriet Beecher Stowe)によるPrinciples of Domestic Science(1870)32章本のうち31章を抄訳したものであるとされてきた。しかし本研究で31章構成の原書資料(国立国会図書館書蔵本)が入手できたことにより、『家事要法』は原典を全訳したものであることが明らかになった。
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