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加速器質量分析計による放射性炭素年代の暦年代較正法の開発とその古文書資料への適用

研究課題

研究課題/領域番号 10780096
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 文化財科学
研究機関名古屋大学

研究代表者

小田 寛貴  名古屋大学, 年代測定資料研究センター, 助手 (30293690)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード放射性炭素年代 / 加速器質量分析計 / 暦年代較正 / 木曽ヒノキ / 古文書 / 放射性炭素 / 年代測定
研究概要

本研究は,"加速器質量分析法(AMS)による放射性炭素(^<14>C)年代測定"という自然科学的な手法を古文書の年代判定に導入したものである.
大気中の^<14>C濃度は経時的な変動を示すため,^<14>C年代は実際の歴年代との間にずれをもつ.これを補正し歴年代に換算するための従来の較正曲線は,歴年代既知のアメリカ・アイルランド産の樹木を20年輪ごとに^<14>C年代測定を行い作成されたものであった.しかし,本研究で扱う古文書は日本産の1〜数年生の和紙原料植物から作られた資料である.そこで,まず日本産の樹木たる木曽ヒノキを1年輪単位に剥離しAMS^<14>C年代測定を行い,その測定結果と既存較正曲線とを比較し,古文書の^<14>C年代を暦年代に換算するための較正法を確立した.
古文書料紙となる和紙は楮など低灌木の枝から生産される.一般に木製文化財は,数十〜数百年をかけ生育した木材や時には伐採後乾燥させた木材から作製されるため,^<14>C年代はその作製年代よりも古い値を示す(いわゆる old wood effect).しかし本研究においては,古文書本紙(表の紙)の^<14>C年代が歴史学的な年代とよく一致するという結果が得られた.このことは,和紙の原料に古い枝を用いると製紙作業が困難となる上に製品の質が落ちるため,当年生ないしは生えてから数年を経た程度の枝が選択的に用いられることを裏付けている.本研究の結果から,古文書本紙は"old wood effect"による年代のずれが小さく,歴史時代を対象とした^<14>C年代測定にとって極めて適した資料であることが明らかになった.ただし,文書の修理に用いられた裏打ち紙では,文書の書かれた年代と異なる^<14>C年代を示すものがある.裏打ち紙に古紙が利用された可能性もあり,その^<14>C年代をもって文書の作成年代とすることはできないことが示された.

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 小田 寛貴: "AMS^<14>C年代測定法 -測定の原理と古文書への適用ー"名古屋大学文学部創設50周年記念公開シンポジウム報告集. 75-89 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 小田 寛貴: "加速器質量分析法による古文書の^<14>C年代測定"愛知文教大学地域文化センター叢刊. 11. 5-8 (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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