研究概要 |
本年度は初年度に開発したコンテンツ・システムを利用し,提供された情報を活用した学習カリキュラムと支援システムを開発した.具体的には, a)学校から遠隔でコンテンツを利用することを目的としたカリキュラムと支援システム b)施設においての活動でコンテンツを利用したり,新しく付け足したりすることを目的としたカリキュラムと支援システム の2種類を開発した. a)では,平成11年度に富山県が実施した生涯学習に関するイベント「インターネット市民塾」において「立山自然探訪」のカリキュラムとそこで用いる支援システムを開発した.自然体験学習活動におけるネットワーク利用の可能性と,考慮すべき問題点について明らかにした.学校での教科カリキュラムとの関連等について,今後どの学年段階のどの活動で,どのような情報が利用可能であるかを検討する必要がある. b)では,乗鞍青年の家をモデルケースとし,施設の活動と新しい情報発信を職員の業務を増やすことなく行うことのできるシステムの開発を行った.特に少年自然の家など社会教育施設では,野外活動や体験活動が活動の中心となるが,デジタルカメラや無線の携帯端末など情報メディアを利用する必然性を検討することができた.子どもたちが野外観察にデジタルカメラやビデオカメラをもってフィールドワークを行い,帰ってから,自分のデータをコンピュータに取り込んで活用するなど,多様な活用が展開された. また,これらの活動を支援する施設は,今後ますます活動内容や利用者に応じた情報提供が必要になってくる.今回開発したシステムでは,職員の従来の業務をそのまま行うことにより,自動的に外部に提供可能な情報のみを抽出整理し,発信することができる. 今後セキュリティ面などを再検討し,より効果的で安定したシステムを構築,継続的な利用を行い,その効果を長期的に検討していく必要がある.
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