研究課題/領域番号 |
10780159
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計算機科学
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研究機関 | 東北大学 (1999) 室蘭工業大学 (1998) |
研究代表者 |
田中 和之 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (80217017)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 画像修復 / 統計的手法 / ソフトコンピューティング / マルコフ確率場 / 最尤推定 / 平均場近似 / 反復計算法 / 最適化手法 |
研究概要 |
本年度は統計力学的概念に基づく有限温度の画像処理に向けて前年度の成果を踏まえて研究を行い以下の成果を得た。 (1)マルコフ確率場モデルのハイパーパラメータの代表的推定手法である最尤推定法を研究代表者がすでに提案している拘束条件付最適化の立場で再定式化し、事前確率分布と原画像との関係を明確にし、クラスター変分法を用いた理論的検討をおこなった。 (2)上記の最尤推定はハイパパラメータの推定に原画像を必要とするが、劣化画像のみからハイパパラメータを決定する統計的手法としてよく知られる周辺尤度の最大化による方法のクラスター変分法を用いた理論的検討をおこなった。原画像と事前確率分布の相転移が密接な関わりがあることを具体的に示す結果を得ることができたが、これは今後の更に複雑な画像に対する有限温度の画像処理を考える上で重要な成果である。 (3)現実の濃淡画像の画像修復に対してよく用いられる結合マルコフ確率場モデルに対するクラスター変分法を用いたアルゴリズムを構成し、市販の低価格パーソナルコンピュータでも十分現実的な計算時間で他の非線形フィルターよりも良好の画像を得ることが可能であることを実証することができた。このことはこれまで計算時間に著しく問題があるとされてきた統計力学的手法による画像処理が実用に十分に耐える手法であることを示唆する成果である。
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