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高い逐次効率を備えた細粒度マルチスレッド方式に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10780170
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 計算機科学
研究機関東京大学

研究代表者

田浦 健次朗  東大, 理学(系)研究科, 助手 (90282714)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード細粒度スレッド / 共有メモリ計算機 / 動的負荷分散
研究概要

高い逐次効率と細粒度マルチスレッドを両立させるために,既存の高性能逐次C/C++コンパイラ(GCC)から利用可能な,マルチスレッドライブラリStackThreads/MPを設計,実装した.本処理系は,スレッド生成/消滅のオーバーヘッドが通常十数命令という,きわめて高いマルチスレッド性能を達成しており,かつ高性能逐次コンパイラと互換な方式をとることで,高い逐次性能を達成している.この方式はこれまで発表されている類似の方式では,(おそらくその複雑さのため)採用されていなかった独自性の高い方式で,そのためのメモリ管理方式などの詳細を考案,定式化し,かつその定式化のもとでそのメモリ管理方式の正しさを証明した.この方式について述べた論文が,並列プログラミングの処理系に関する学会としては国際的にもっとも権威のある,1999 ACM Practice & Priciples ofParallel Programming(PPoPP'99)に採択された.
本処理系の性能評価として,10種類以上の並列ベンチマークプログラムを用いて,同様の目標を持つ類似の処理系(MITで研究,開発されたCilk)との比較を行った.性能評価の結果,本研究ではCilkと同等もしくはそれ以上の性能を示しており,かつ9種類のベンチマークでは純粋な逐次プログラムに対するオーバーヘッドも10%程度以下であることがわかった.これは本処理系の実装方式が費用対効果が高い,優れたものであることを示している.
ライブラリStackThreads/MPは現在使われている多くの主要なCPU(Pentium,Al-pha,MIPS,SPARC)上で実際に動作しており,本格的な並列プログラムの開発や,実験に耐えうるものになっている.StackThreads/MPの処理系はすでにWorld Wide Web上(http://www.yl.is.s.u-tokyo.ac.jp/sthreads/)にて誰でも入手可能になっており,今後共有メモリ並列計算機が広く普及するにつれ,重要なソフトウェアとして世界的にも認知される可能性がある.

報告書

(1件)
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kenjiro Taura: "StackThreads/MP: Integrating Futures into Calling Standards" 東京大学テクニカルレポート. TR 99-01. (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Kenjiro Taura: "StackThreads/MP: Integrating Futures into Calling Standards" ACM 1999 Symposium on Principles & Practice of Parallel Programming (PPoPP). (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 田浦健次朗: "並列計算のための移植性の高い実行時基盤ソフトウェア" 富士通並列計算ワークショップ(PCW)98. (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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