研究概要 |
本年度は,以下のことを行った。 ・最適化技法の抽象機械TRAMへの組込み:前年度までに開発した書換えシステム用の最適化技法の一部をTRAMに組み入れた。その結果,遅延評価型の関数言語に比較して,高速に書き換えることができることが,いくつかの実験で確認できた。 ・要求駆動E戦略の操作的意味の記述:TRAMに実装した簡約戦略は,OBJ2で最初に用いられたE戦略である。CafeOBJの簡約戦略は,E戦略を拡張することで,E戦略の弱点を補った要求駆動E戦略である。要求駆動E戦略を利用した書換えの操作的意味を,CafeOBJで記述し,各演算子(関数あるいはデータ構成子)への局所戦略の与え方に関する考察を行った。TRAMに,要求駆動E戦略を取り入れることは有効であると考えている。 ・研究成果のまとめ:研究成果のまとめとして,電子情報通信学会論文誌D-1に採録された論文「項書き換え抽象機械TRAMの設計と実装」を執筆した。
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