研究課題/領域番号 |
10780230
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
知能情報学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大川 剛直 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30223738)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 立体構造 / 構造比較 / 図的推論 / 幾何的ハッシュ法 / 機能予測 / 特徴抽出 / 分類 / 蛋白質 / 蛋白質立体構造 / 高分子立体構造 / 石炭分子構造 / パターン処理 / 記号処理 / 構造予測 |
研究概要 |
本研究では、高分子の立体構造を計算機により分類、予測することを目的として、構造の図的な表現ならびに処理方式と、それに基づく分類、予測の方法について検討した。具体的には、蛋白質の立体構造を対象に以下の成果を得た。 ●蛋白質の機能が、その局所的な表面特性に依存していることに着目し、分子表面の活性部位データをもとに機能を予測する手法について検討した。この手法では、既知の活性部位をテンプレートとして用い、入力された分子表面データをこれにマッチングさせることで、機能予測を実現する。分子表面データは3次元空間上に配置された数万個の頂点の集合であるため、単純な重ね合わせでは処理に膨大な時間を必要とする。そこで、頂点圧縮の技法を新たに開発し、分子表面データを効率良く扱うことに成功した。また、重ね合わせ処理の効率化のため、幾何的ハッシュ法を導入した。これらの効率化処理により、精度を保ちながら計算時間を大幅に短縮でき、100種の蛋白質を用いた機能予測実験の結果、80%程度の予測精度を達成した。 ●上記手法は、ある部分表面構造が、他の蛋白質のどの部分に類似しているかを探索可能な一方で、マッチング処理自身は、比較的単純な点比較に留まっている。このため、酷似した表面構造の発見を高速、高精度に実現するものの、類似性があまり見られない表面構造間を比較、分類するには適していない。そこで、分子表面をより図的に処理する手法を考案した。この手法では、表面上の窪みや突起といった重要な特徴を領域として抽出することで図的に表現し、これに基づく推論処理により、その類似性を評価する。100種類の蛋白質の活性部位を総当りで類似性評価し分類した結果、5クラスターに関して機能の類似性が見出され、図的な処理、推論の有効性が実証された。
|