研究課題/領域番号 |
10780254
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報システム学(含情報図書館学)
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研究機関 | 秋田県立大学 (1999) 山形大学 (1998) |
研究代表者 |
猿田 和樹 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教授 (80282193)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 排他的学習ネット / ELNET / くずれ字 / つぶれ字 / 悪筆 / 類似文字 / 手書き文字認識 / ニューラルネット / 文字認識 / ニューラルネットワーク / 悪筆文字 |
研究概要 |
これまで提案してきた排他的学習ネット(ELNET-II)を用いた手書き文字認識においては、従来行われている他の多くの文字認識手法の評価実験と同様、枠内に比較的丁寧に書かれた文字を対象としており、現実的な場面での柔軟性や認識精度が必ずしも評価しきれていなかった。そこで本研究では、さらに高精度化を図るために重要なキーと考えられる、くずれ字・つぶれ字等の悪筆文字と類似文字を対象とした認識の高精度化に関する研究を行った。さらに、心理学面からのアプローチとして、被験者に同じ文字を刺激として提示し読みを記録する人間の認識実験も行い、これとの比較検討も行った。 悪筆文字認識実験においては、つぶれ字に対しては人間とELNET-IIとで比較的大きな差は見られなかったものの、くずれ字に対しては約55%もの認識率の差が生じた。学習条件を差し引いても局所的なストローク変動への対応能力に人間とニューラルネットワークとでは大きな差があり、これが認識精度に大きな影響を与えていることが明らかにされた。よって、局所的な変動も含めた文字の示差的特徴(部分的特徴)をうまく捉えることが今後の改善の大きなポイントであると言える。 類似文字認識においては、類似文字間で相互に同数程度誤認識が生じるとは限らず、むしろ偏りが生じており、類似文字が存在する場合に、文字を書く人間が意図的にその差異を強調してしまう、という人間の筆記特性が文字に含まれていることが示唆された。また、今回用いた特徴量では、画数の少ない文字の場合にストローク間隔や長さを吸収できなかったことが、誤認識の要因の一つであることも示すことができ、今後は認識手法だけでなく、特徴量の改善も必要であることが明らかにされた。
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