研究課題/領域番号 |
10780260
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報システム学(含情報図書館学)
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
原 隆浩 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20294043)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | ATMネットワーク / 分散データベース / データベース移動 / トランザクション処理 / 並行処理制御 |
研究概要 |
今年度は、2年計画の本研究の最終年度であり、前年度に考案したデータベース移動をトランザクション処理に利用する分散データベースシステムの実装、及び、実装したシステムの実測評価を行った。このシステムは、企業内イントラネットなどのように、サイト数がさほど多くなく、サイト間のネットワーク帯域幅も均一で広帯域であるといった、ある程度閉じた分散環境を想定している。そこで、システムの実装を進める一方で、このシステムをさらに一般的な広域ネットワーク環境に適用するための方法論についても研究を推進した。 前者の成果として、研究代表者の所属する研究室の既存のワークステーションとネットワークシステム、及び、前年度交付を受けた研究費によって購入したノートパソコンを用いてシステムを構築することにより、異機種分散環境への適応を考慮した。このシステムでは、データベース移動を考慮した並行処理制御機構として、移動するデータベースに対するデータベース操作をサポートする機構を実現した。さらに、移動するデータベースに対して障害が発生したときに、障害発生前のデータベース更新ログを収集し、特定のサイトで保持しているデータベースのバックアップから効率的に障害復旧を行う機構を実現した。システムの実測評価の結果から、実装したシステムにより、トランザクション処理時間を大幅に改善できることを確認した。 後者の成果としては、広域ネットワーク環境上の分散システムではサイト数が多く、様々なトランザクションが発生することを考慮して、システム全体をバックボーンネットワークとそれに接続する少数のサイトからなる論理的なシステムと見なし、その論理システム上で処理時間を最短にするデータベース移動のスケジューリングを行う手法を提案した。 これらの研究成果を取りまとめたものは、海外の著名な学会の論文誌をはじめとする様々な分野でその重要性が見とめられ、高い評価を受けている。
|