研究課題/領域番号 |
10780322
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
高田 真志 放射線医学総合研究所, 国際宇宙放射線医学研究センター, 研究員 (50291109)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 中性子 / 組織等価型ガス比例計数管 / 陽子 / カーマ係数 / 線エネルギー分布 / A150プラスチック / 線量分布 / 重粒子 / 線エネルギー |
研究概要 |
本研究では、単色中性子(15MeV)の線質、線量の実験的評価を東北大学FNL、原研FNSの両加速器施設で行った。実験では、0.2〜1500keV/micronという幅広い範囲に及ぶ線エネルギー分布を導出することができた。また、壁材が異なる4種類(A150、炭素、ジルコニウム、酸化ジルコニウム)の微少ガス圧ガス比例計数管を用いて、A150、炭素、酸素、ジルコニウムの各元素の線エネルギー分布(頻度分布、線量分布)、カーマ係数、線量当量換算係数を導いて、他文献データと比較した。それぞれは、文献値とよい一致を示した。A150壁の計数管を用いて中性子の線エネルギー分布を測定する場合、低y値の中性子と高y値のガンマ線が混在することが、大きな不確定要因となったが、炭素壁の計数管と同時測定することにより、ガンマ線の分布を推測でき、中性子のみの分布をより正確に評価できた。 次に陽子と重荷電粒子に対するガス比例計数管の特性を調べた。荷電粒子によりガス中に付与されるエネルギーから推測される線エネルギー分布は、実測によるものと大きく異なっていた。その異なっている分布は、粒子線のエネルギーに大きく依存しないこととガンマ線による分布に近いことから、荷電粒子により発生したδ線によるものであると考えた。 これらの結果を踏まえて、微少ガス圧ガス比例計数管とプラスチックシンチレータを組み合わせて、中性子と陽子が混在する環境中で、中性子のみを弁別して中性子の線質、線量評価を行った。同時に、先と同じ4種類の壁材から構成されている計数管を用いて、高エネルギー中性子に対するA150(組織等価プラスチック)とICRU軟組織との元素組成比の違い(炭素、酸素)を補正して、線エネルギー分布、線質、線量を導いた。両物質には、吸収線量にして、7%近い差が見られた。これは、10MeV以上の高エネルギー中性子が原因であり、高エネルギー中性子が存在する場合における元素補正の必要性を示した。
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