研究課題/領域番号 |
10780378
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
山崎 和生 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60241428)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 筋小胞体 / カルシウムポンプ / 部位特異的変異 / プロテアソーム / COS-1 |
研究概要 |
筋小胞体カルシウムポンプのN末端領域の機能について調べるため、カルシウムポンプのN末端から9番目のアミノ酸までの間に置換や欠失変異を導入した変異体をCOS-1細胞で発現させた。ミクロソーム分画中のカルシウムポンプの発現量をウェスタンブロットにより定量したところ、欠失変異体の多くと置換変異体のうち4番目のアラニンをリジンかアスパラギン酸に変えたものおよび5番目のヒスチジンをリジンに変えたもので発現量が野生型と比較して著しく低下していた。次にCOS-1で発現させた変異体のカルシウム輸送活性を測定した。COS-1細胞中で野生型と同等の発現を示す変異体では野生型と同等の活性を持っていた。COS-1細胞中での発現の悪い変異体では、N末端から3番目から6番目のアミノ酸のうちどれか一つを欠失させた変異体は野生型と同等の活性を持っていたが、その他の変異体はカルシウム輸送活性を喪失していた。以上の結果は、筋小胞体カルシウムポンプのN末端領域には活性に直接関与している残基は存在しないが、ポンプの高次構造の安定化に必須であることを示唆している。COS-1細胞中での発現が悪い変異体でも、in vitro の発現系では野生型と変わらない発現が観察された。このことからCOS-1細胞中で発現の悪い変異体は、翻訳後COS-1内の何らかの系で分解されていることが予想された。発現したカルシウムポンプタンパクのCOS-1細胞中での分解の速度をPulse-Chase実験により測定すると、野生型では非常に遅いが、発現の悪い変異体では顕著に速くなっていることが示された。N末端から3番目Alaを欠失させた変異体の分解はプロテアソームの特異的阻害剤であるlactscystinによって強く抑制された。以上の結果より、N末端領域はカルシウムポンプの正しいfoldingまたは正しくfoldしたカルシウムポンプの安定性(あるいはこの両方)に重要であることを示している
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