研究課題/領域番号 |
10780421
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
梅津 桂子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (20223612)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 染色体異常 / ゲノムの再編 / ヘテロ接合性の喪失 / 出芽酵母 |
研究概要 |
二倍体出芽酵母をモデルとし、染色体異常を特異的に検出する系、及び、染色体の変化を塩基配列レベルで同定する実験系を開発してきた。これらを用い、本年度は既知の各種変異株における染色体異常について解析を行った。 (1)組換え関連遺伝子:野生株での解析より、相同組換え機構が染色体再編の発生に大きく寄与している可能性が示唆された。そこで、RAD50、RAD51、RAD52の欠損変異株での染色体異常・再編を解析することにより、関与する組換え経路とその寄与度を明らかにすることを目的とした。rad51、rad52変異株では野生株に比べ染色体喪失の発生が顕著に上昇し、全染色体異常・再編の約95%以上を占めていた。rad50変異株では染色体喪失と共に染色体再編も10倍以上に上昇していた。野生株体細胞分裂時に生じる染色体異常はRad51依存性の姉妹染色体間あるいは相同染色体間のDNA組換えによって強く抑制されており、染色体異常の主要な原因は組換え修復を必要とする内在性のDNA障害であると推測される。Rad50は染色体喪失や過剰な組換え反応を阻止している可能性が示唆された。 (2)染色体異常の発生要因:(1)に示した様に染色体異常の多くは相同組換えを誘発する様な内在的DNA障害が原因であると予想される。S期のDNA複製障害が染色体異常の発生原因となっている可能性を考え、その検証を目的としてDNA複製の開始制御に欠損を持つorc1温度感受性変異株での解析を行った。orc1変異株を非許容温度下で生育させると24時間後には90%の細胞がコロニー形成能を失い、生残細胞のほとんどで染色体の喪失或いは異数化が観察された。染色体異常の内、染色体喪失が最も顕著に誘発されるが各種染色体再編も野生株の数倍の上昇が認められた。染色体上に複数存在する複製開始領域の活性化頻度或いは活性化時期が適切にコーディネートされない場合に染色体異常を引き起こすDNA障害が誘発される可能性が示唆された。
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