研究課題/領域番号 |
10780466
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
岡部 正隆 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助手 (10300716)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / 感覚器 / 伸展受容器 / 情報伝達系 / 遺伝解析 / キイロショウジョウバエ / 神経発生 / hedgehog遺伝子 / atonal遺伝子 / EGF受容体 / Ras、sprouty遺伝子 |
研究概要 |
(1)dpp情報伝達系の役割 本年、我々はatonal遺伝子の発現調節領域を単離し、その1次構造上にdpp情報伝達系の核内制御因子であるMadタンパクの結合配列を2箇所見い出した。このようにatonal遺伝子の発現調節におけるdPP情報伝達系の関与が示唆されたことから、dPP突然変異体およびDPP受容体をコードするtkv遺伝子の突然変異体における末梢神経系の観察を行った。Dpp突然変異体は胚発生の初期に発生を停止するため観察は困難であったが、tkv変異体では成熟した末梢神経系を観察することができた。しかしながら、tkv変異体における伸展受容器の発生に異常は観察されなかった。 (2)wingless情報伝達系の役割 wingless情報伝達系の伸展受容器形成における役割を解析するために、wingless変異体の末梢神経系を観察した。Wingless突然変異体の末梢神経系では、伸展受容器を含むすべての感覚器が失われていた。胚発生中期においてwingless発現細胞は隣接するhedgehog発現細胞とその情報伝達系を通じて相互に細胞の特異化を行っていることが知られており、hedgehog変異体ではwingless遺伝子の発現が低下することが知られている。しかしながら昨年我々が報告したhedgehog変異体における伸展受容器の表原型は、hegdehog発現細胞に隣接している伸展受容器前駆細胞が失われるというものであり、今回観察されたwingless変異体の表原型を含むものではなかった。これらの結果から、wingless遺伝子は伸展受容器前駆細胞の形成に関与しており、前駆細胞の運命決定はwinglessとhedgehogの相互作用が生じる前の段階で行われていることが示唆された。現在我々の単離したatonal遺伝子の発現調節領域内にwingless情報伝達系からの情報の入力があるかを検討している。
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