研究課題/領域番号 |
10780485
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
|
研究機関 | 第一薬科大学 |
研究代表者 |
船田 正彦 第一薬科大学, 薬学部, 講師 (20299530)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | モルヒネ依存 / アデニル酸シクラーゼ / μ受容体 |
研究概要 |
本研究では、μ受容体ノックアウトマウス(MuKO)および親の系であるC57BL/6Nマウスを用い、モルヒネ依存形成に関与する脳内アデニル酸シクラーゼ・サブタイプを同定し、μ受容体の細胞内情報伝達における役割を解析した。行動解析では、モルヒネ(8-45mg/kg,s.c.)を1日2回5日間にわたって慢性投与し、ナロキソンを投与して行動観察を行った。ナロキソン誘発ジャンピング行動はC57BL/6Nマウスで15±2.5回の出現であったが、MuKOでは0回であり有意に抑制されていた。また、モルヒネ依存時のアデニル酸シクラーゼmRNAの変動について検討を行った。RNaseプロテクション・アッセイを利用して、大脳皮質、線条体、側坐核、中脳および小脳の5部位におけるアデニル酸シクラーゼtype I、II、VおよびVIIIの mRNAの定量を行った。その結果、モルヒネ慢性投与によってO57BL/6Nマウスの大脳皮質および側坐核においてtype IIおよびVのmRNA量の増加が認められた。一方、MuKOでは、有意な変化は認められなかった。これらの結果から、モルヒネ依存形成に、μ受容体を介したアデニル酸シクラーゼの機能変化が関与する可能性が示唆された。本年度は、モルヒネ慢性投与で変化が認められたアデニル酸シクラーゼtype IIおよびVのcDNAを発現べクターに組み込み、COS細胞に導入し、選択的μ受容体作動薬DAMGOのcAMP 減少効果に対するモルヒネ慢性処置の影響を検討した。その結果、typeIIおよびVともにDAMGOにより抑制され、モルヒネ慢性処置でその効果は減弱された。したがって、モルヒネ依存形成機構にμ受容体を介するアデ二ル酸シクラーゼ type IIおよびV抑制作用の機能変化が関与することが明らかになった。
|