研究課題/領域番号 |
10780495
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
五味 浩司 理化学研究所, 行動遺伝学技術開発チーム, 研究員 (90293240)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 瞬目条件反射 / 小脳運動学習 / セリン・スレオニンキナーゼ / 遺伝子発現 / 染色体マッピング / 大脳聴覚野 / 一酸化窒素 / 長期増強 / 一酸化窒素合成酵素 / シナプス可塑性 |
研究概要 |
瞬目条件反射学習は、ヒトからマウスに至る種において成立する運動学習のパラダイムである。学習の成立および獲得された記憶の発現には小脳皮質から小脳深部核(中位核)に至る経路が重要であり、特に小脳中位核はこの学習に関与する神経回路網の中で決定的部位であることが明らかにされている。我々は、ウサギを用いた学習系において、小脳中位核へのRNA合成阻害剤の注入によって条件学習の成立が干渉されることを観察し、学習および長期的記憶の成立が転写レベルで制御されている可能性を見いだした。さらに条件学習の成立に伴ない、小脳深部核において発現が誘導されるRNAを見いだし、これがcdc2およびMAPキナーゼ群に近縁な新規のリン酸化酵素であることを同定した。ウサギで同定された本遺伝子について、マウスタイプの遺伝子を分離し、そのcDNAおよびゲノミックDNAの構造を決定した。マウスのcDNAにはalternative splicingにより形成されるC末端部において差異を示す3種類のアイソフォームが存在していた。Genomic DNAは約40kbにわたって15個のエキソンから成立していた。また、2つの異なるプロモーターによって複数の転写開始点から転写が行なわれていることを明らかとした。In situ hybridizationおよびタンパク質のN末端特異的な合成ペプチド抗体を用いた免疫組織化学によって、この遺伝子は小脳深部核、大脳新皮質、視床核および海馬などの神経細胞において強い発現を認めた。Radiation hybrid法を用いた染色体マッピングによって、マウス遺伝子は第5染色体上のD5Mit369の近傍にマップされ、、また、ヒト遺伝子は第4染色体上のSHGC4-784の近傍(4q21.21)にマップされ、この遺伝子が両種間におけるsyntenic locusにマップされることを明らかとした。
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