研究課題/領域番号 |
10780501
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
北澤 宏理 自治医科大学, 医学部, 助手 (10296098)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | vestibulo-ocular reflex / optokinetic reflex / flocculus / Fyn / vestibulo ocular reflex / optokinetic response |
研究概要 |
Fyn欠損マウスを用いて2種類の眼球反射、すなわち前庭動眼反射(VOR)と視機性眼球反応(OKR)の動特性を測定し野生型と比較したところ、OKRの動特性が増大し、VORの動特性に異常はみられないという結果が得られた。このことよりFyn欠損マウスは視覚系の入力経路に異常があると考えられた。一方マウスのOKRにおける適応は、Fyn欠損マウスにおいても野生型と同様に観察でき、Fyn欠損マウスにおける小脳片葉の機能は正常であると考えられた。電気生理学的な異常の有無についてはさらに調べる必要があるが、おそらく異常はないと考えられる。なぜならば、眼球反射の適応は小脳が制御していると考えられているからである。 ところで小脳の電気生理学的現象として知られる長期抑圧(LTD)は学習と関連づけられて報告されているが、このLTDには神経伝達物質として一酸化窒素(NO)が不可欠であるという報告がある。そこで神経型のNO合成酵素(nNOS)を欠落させた遺伝子ノックアウトマウスを用いて眼球反射を調べる実験を行った。その結果、nNOSを欠いたマウスではOKRおよびVORの動特性は野生型と同様で異常はないが、OKRにおける適応が著しく低下していることがわかった。さらに野生型マウスに、NO合成酵素阻害剤を投与して眼球反射を測定したところ、遺伝子ノックアウトマウスと同様の結果が得られた。これらのことより小脳の機能(LTD)と、眼球反射の適応との間に関連性があることが示唆された。
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