研究課題/領域番号 |
10831008
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
談話(ディスコース)
|
研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
ドミニク バデユーチ (バデューチ ドミニク / バデユーチ ドミニク) 富山県立大学, 工学部, 助教授 (20257596)
|
研究分担者 |
茂呂 雄二 筑波大学, 心理学系, 助教授 (50157939)
上野 直樹 国立国語研究所, 教育指導研究部, 室長 (40124177)
西阪 仰 明治学院大学, 社会学部, 教授 (80208173)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 教室でのやりとり / 科学教育 / 研究者と技官のやりとり / アメリカの日本の教育の比較 / 科学におけるやりとりの構造 / 科学研究室の社会学 / ヴィゴツキー / 会話分析 / 微視的分析 / 社会的相互行為 / 談話 |
研究概要 |
1)日本人学生はアメリカ人学生よりも高度なレベルの勉強をしている。2)日本には利用できる設備がより多い。3)日本の授業では教師が中心となる。4)日本人教師はアメリカ人教師よりもしっかりした準備をする。5)日本では定職にある科学技官がほとんどいないために、研究者が時間を無駄にしている。6)日本の研究室にはアメリカと比べてほとんどやりとりがない。 学校についての結果:アメリカの学校では科学を日本よりも低い内容から始めている。日本はアメリカよりも学習内容が多く、科学授業で利用する設備もより多く揃っている。アメリカでは、学生に発言を求めるが、日本ではそうではなく、試験だけで成績を出す。学生が中心的に進めた授業を日本で見ることはなかった。資金運営についても両国で異なっている。日本では均等に資金が与えられ、学校ごとに同じ設備を揃えている。アメリカでは資金運営は一定しておらず、地元が潤っている学校にはいい設備がある。 研究室についての結果:日本の研究室では、技官を訓練するために研究者力塒間を費やしている。技官の給金は低く、立場が極めて不安定である。研究者が頼るのは技官や学生であり、そのおかげで実験をやり遂げることができる。アメリカでは、技官は博士の学位を持って安定した立場にいる。研究者が技官を訓練する必要はない。すでに訓練されているからだ。最後に、日本の研究室では「力技」で結果を得ているが、アメリカではそういう方法を一部用いながらも、偶然の発見を大事にするところがある。日本の研究室ではトップが下の者の意見を聞くことはほとんどない。日本の研究者はアメリカの研究者よりも長い時間研究をしている。アメリカでは発想が第一である。発想のある者なら誰でも助成を受けられる。たとえそれが最新の知見や上司にたてつく意見であってもである。 日本に対する提案:授業中には互いに会話しやすくし、講義よりも実験を多く行い、より独創的な指導をし、カリキュラムに従いながらもしばられないようにすべきだ。また、職を持った研究室技官を育成し、若手研究所のアイディアを奨励すべきである。 アメリカに対する提案:科学の教師への訓練を一層行い、公平に設備を配置し、設備投資をした上で、学生を増やすべきだ。
|