研究課題/領域番号 |
10837006
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電磁場環境
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮越 順二 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70121572)
|
研究分担者 |
藤森 亮 京都大学, 医学研究科, 助手 (50314183)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 変動磁場 / 遺伝子突然変異 / 突然変異スペクトラム / 遺伝子発現 / NOR-1 / シグナル伝達 / 極低周波変動磁場 / CHO細胞 / ベンガラクトシダーゼ |
研究概要 |
高レベル実験用ELF装置の製作については、周波数50Hz、最大出力400mTの可変磁石を用いた。この磁石の磁場空間に細胞培養可能な培養器を内蔵した。実験用低レベルELF装置の製作については、可変で最大出力5mTのヘルムホルツコイルを用いた。 1.ヒト由来培養樹立細胞(Saos-2)を用いた。突然変異誘発を検索する遺伝子座として、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)遺伝子を選んだ。無処理ならびに400mTのELF曝露により出現した6-チアグアニン(6-TG)抵抗性細胞に関して、各クローンからmRNAを取り、RT-PCR法によりHPRTのcDNAを得て、シークエンス(塩基配列分析)を行った。突然変異のスペクトラムを解析した結果、塩基置換、部分欠失(スプライシングエラーを含む)、完全欠失ならびに挿入のすべてにおいて、擬曝露ならびにELF曝露ともに差は見られず、ELF特有の突然変異は観察されなかった。 2.核受容体スーパーファミリーで転写因子の1つと考えられているNOR-1(neuron derived orphan receptor 1)遺伝子に注目し、電磁場影響を検討した。400mT磁場曝露によりNOR-1の遺伝子発現は約6時間を最大として一過性に増大した。400mT磁場曝露と刺激剤(フォルスコリン)の併用によりNOR-1遺伝子発現はさらに増大した。また、PKCの阻害剤処理により、400mT磁場の遺伝子発現誘発効果は抑制された。これらの結果は、400mTという超強力な磁場が細胞のシグナル伝達を刺激し、NOR-1遺伝子の発現を増大させていることを示唆している。しかしながら、5mTで行った場合、鋭敏なNOR-1遺伝子でも全く磁場に対する応答を示さなかった。つまり、磁場のNOR-1遺伝子発現誘発効果は少なくともそのしきい値は5mTまたはそれ以上の磁束密度であると結論づけることができる。
|