配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
本研究課題は,聴覚障害者の情報獲得を支援することを目的に,ニュース速報文を手話アニメーションに言語変換(翻訳)を行うシステムを実現(構築)するための基礎的な研究,すなわち,要素技術について検討を行う.そのため,ニュース速報文に出現する専門用語辞書の構築を円滑に行うための辞書開発作成支援ツールとして,手指動作記述文を入力とする手話アニメーション生成機構と手指動作特徴をマウスクリックにより入力し,出力として手指動作記述文を自動生成する機構を統合化したツールを開発し,北京で開催された環太平洋諸国自然言語処理シンポジウム(NLPRS99)で成果を論文発表した.また,ニュース速報文の見出し文を聴覚障害者が理解しやすいように,言い替える方式についても,言語処理学会の年次大会において,論文発表し,いずれも好評であった.ニュース速報文のヘッドライン文は,字数の関係で簡潔な短文で構成される.その結果,助詞が省略されたり,難解な漢字連続の複合語を生成してしまい,辞書引きや構文解析に失敗する傾向がみられる.そこで,本研究では,ニュース記事の特徴的な論理構造に着目し,省略された助詞等の文法情報を復元する方式を考案した.すなわち,ヘッドライン文はリード文の要約または縮約に相当し,リード文は本文記事の要約結果と捉えることができる.そのため,ヘッドライン文の省略情報の多くは,要約前のリード文中に保持されている可能性が高い.実験の結果,提案手法の妥当性を示す結果が得られた.これらの研究成果は,3月末に開催される言語処理学会の「言い換えに関するワークショップ」の発表論文として採択された.また,5月に韓国で開催される国際会議(ICCPOL'2000)にも論文が採択された.このように,本研究課題での成果は国際的にも高い評価を得ている.
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