研究課題/領域番号 |
10839004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物臨床医学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐々木 伸雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60107414)
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研究分担者 |
中山 裕之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40155891)
辻本 元 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60163804)
西村 亮平 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (80172708)
望月 学 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90261958)
木谷 誠一 東京大学, 保健管理センター, 助手 (10231284)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 犬 / 悪性黒色腫 / 培養細胞株 / AD1 / モノクローナル抗体 / 転移 |
研究概要 |
悪性黒色腫はその転移の早さ、局所への高度の浸潤、さらには化学療法、放射線療法に抵抗性であること等から、きわめて悪性度の高い腫瘍として知られている。本研究では、マウスの本腫瘍の原発巣では発現し、転移に伴って発現しなくなるとされている膜糖蛋白、AD1(CD63)に着目し、犬の本腫瘍における本物質の転移における役割について検討することを目的に実施した。 安定した系で研究を進めるため、まず犬の本腫瘍の培養細胞株の確立を試みた。その結果、自然発症例の手術摘出材料から合計4株の細胞株を樹立した。これらは皮膚あるいは口腔粘膜から樹立したものであるが、増殖形態、ヌードマウスへの可移植性などに差異がみられた。 ついでこれらの中で増殖の盛んな原発巣由来である細胞を用いてAD1に対するモノクローナル抗体の作成を試みた。その結果、悪性黒色腫にのみ反応する抗体と、悪性黒色腫とやはりAD1を有する肥満細胞腫の両者に反応する抗体の2つの有力と思われる抗体が得られた。残念ながら、これらの確実な認識部位を同定するまでに至ってはいないが、これらは、AD1に特異的なモノクローナル抗体である可能性が示唆された。 この2つの抗体を用いて、犬の悪性黒色腫の組織に対する免疫染色を実施した。その結果、前述の後者の抗体は原発巣には反応し、転移巣には反応しない、あるいは逆に原発巣には反応し、転移巣には反応しない、という相反する結果となった。このことは、この抗体が何らかの転移関連物質を認識することを示唆するが、必ずしも当初仮定した、転移に伴うAD1発現の変化を認識していない可能性も考えられる。この点については、今後の検討課題と考えられた。
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