研究課題/領域番号 |
10839013
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物臨床医学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
玉田 尋通 大阪府立大学, 農学部, 講師 (10155252)
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研究分担者 |
稲葉 俊夫 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (00137241)
澤田 勉 大阪府立大学, 農学部, 教授 (60081600)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | HB-EGF / EGF / 黄体ホルモン / 着床 / 妊娠 / 子宮 |
研究概要 |
着床機構や妊娠維持機構を解明することは、家畜や野生動物の増殖効率向上に寄与するだけでなく、人の不妊の原因解明や出生率の制御などにも貢献することが期待される。 妊娠中の子宮と胚は様々な成長因子を発現しており、これらは着床や妊娠の維持に重要な役割を果たしているものと考えられる。本研究は、heparin-binding EGF-like growth factor(HB-EGF)が着床前のラット胚の発育を促進する作用や着床を誘起する作用を持つことを明らかにした。また、HB-EGFの抗体を着床前のラットの子宮腔内に微量注入したところ、その後の着床が抑制された。これらの結果より、HB-EGFは着床過程で重要な役割を果たしているものと推察された。さらに、ヤギの子宮内膜では、EGFとEGFレセプターが内膜上皮と腺におもに分布しており、EGFの子宮腔内への注入は子宮運動を抑制することを明らかにした。この結果より、EGFファミリーは子宮運動を調節して着床や妊娠の維持に寄与している可能性が考えられた。ところで、妊娠維持にはプロジェステロン(P)が必須であるため、Pの拮抗薬を妊娠中に投与すると妊娠は中絶する。本研究では、このようなP作用が欠乏した状況下においても、子宮を切開して胎子を子宮の圧力から解放すれば、妊娠後期のラットの胎子は発育を続けることを明らかにした。この結果は、Pは子宮の物理的環境を胎子の生存と発育に適したものにすることにより、妊娠維持に寄与することを示唆する。子宮におけるいくつかのEGFファミリーの成長因子の発現は、Pによって促進されることが報告されており、子宮へのPの作用の一部はEGFファミリーに仲介されている可能性が推察され、今後の検討課題になった。 以上のように、本研究の結果はEGFファミリーの成長因子が着床過程や妊娠維持に重要な役割を果たしている可能性を強く支持するものであった。
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