研究課題/領域番号 |
10871033
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
安達 正嗣 名古屋市立大学, 人文社会学部, 助教授 (20231938)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 高齢化 / ニュータウン / 個としての高齢者 / 家族・親族ネットワーク / コミュニケーション / 高齢夫婦 / 面接調査 / 家族社会学 / 家族・親族 / 社会学 / ネットワーク / 中高年夫婦 |
研究概要 |
最終年度にあたる平成12年度には、昨年度からおこなってきた名古屋市郊外の高蔵寺ニュータウンの居住者に対する面接調査を実施した。調査対象者は、定年退職あるいは子の独立期(空巣期)などによって家族再構築の年齢段階となる60歳代から70歳代までの高齢夫婦4組である。その家族構成としては、子のない夫婦のみの世帯2ケース、未婚子との同居世帯1ケース、三世代同居世帯1ケースとなっている。 これらの調査結果から、(1)子のない高齢夫婦は地域や親族に対して開放的なコミュニケーションの回路をもっていること、(2)子のない夫婦は高齢期の夫婦関係の再構築をスムーズにおこなえること、(3)女きょうだいは、男きょうだいに比べて相互の交流が比較的活発であること、(4)きょだい関係は、夫婦関係のあり方に少なからず影響をあたえること、(5)女性、とくに専業主婦の場合には、家庭外の役割が家族再構築にとって大きな影響をもっていること、などといった知見が得られている。また、ニュータウンでの地域活動の変動、集合住宅や一戸建てといった家屋構造などの生活空間のあり方、家族のライフステージの移行にともなう家族員の生活時間の変化、さまざまなメディアへの接触状況などによって、家族・親族コミュニケーションが大きな影響を受ける、という昨年度の集合面接調査で得られた知見も再確認している。さらにそうした知見を通じて、定年退職後に男性が「個としての高齢者」として家族再構築するためのコミュニケーション過程あるいは交渉プロセスのあり方が、とりわけ高齢社会のジェンダーの問題として重要な研究課題でなっていることも示されているのである。 なお今後も、さきの知見を「問題の発見」としてとらえて、こうした中高年夫婦への面接調査を継続することによって研究を深めていく予定である。
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