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北アイルランドにおける紛争処理とテロリズムの社会的影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10872010
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 政治学
研究機関立命館大学

研究代表者

南野 泰義  立命館大学, 国際関係学部, 助教授 (60268141)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード北アイルランド / アイルランド共和軍(IRA) / ユニオニスト / ロイヤリスト / ナショナリズム / シン・フェイン / テロリズム / リパブリカン / カトリック / プロテスタント / グットフライデー合意
研究概要

これまでの北アイルランド紛争に関する調査で、紛争を激化させている主たる原因がアイルランド共和軍(IRA)のテロ活動にあるとする把握が、ユニオニズムを正当化するステレオタイプとして機能していたことを明らかにした。これまでの和平プロセスの中で、1973年、1985年、1993年の和平提案に反対し、リパブリカンとの交渉を拒絶する姿勢を示してきたのはプロテスタント系武装集団ロイヤリストであった。過去30年間に行われた政治的暴力の傾向を見てみると、犠牲者数ではリパブリカンの犯行によるものが圧倒的に多い。しかし犠牲者のカテゴリーを民間人に絞って見てみると、リパブリカンによるのものが35.6%であるのに対して、ロイヤリストの場合は88.5%にのぼっている。英国治安部隊に対するものは、リパブリカンが53.5%であるのに対して、ロイヤリストは1.1%であった。このように、リパブリカンの場合、政治的暴力の対象が英国治安部隊に向けられているが、ロイヤリストはカトリック系の一般市民をターゲットにした政治的暴力を展開してきたことが明らかになった。その意味で、これまでの北アイルランド研究に内在する問題として、リパブリカンおよびIRAのテロ活動に問題所在を求める傾向が強く、ユニオニスト系の政治結社および武装集団を含めた包括的な分析が欠落していたといえる。1999年度に実施された北アイルランドでのフィールドワーク(8月5日〜9日、ベルファスト)では、ロイヤリストによる反カトリック運動の実態について調査することができた。次年度も引き続きベルファストでのフィールドワークを実施し、さらに政治的対立構造の中にある政治的要素と宗教的要素が如何に絡み合い、北アイルランドのリパブリカンとユニオニストの2つのナショナリズムを形成しているのかについて調査する予定である。

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 巣山靖司,南野泰義,岡田新(他)訳: "「ネイションとエスニシティ」"名古屋大学出版会. 344 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 南野泰義: "北アイルランド平和-現在.過去.未来-" 経済科学通信. 88号. 6-7 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 南野泰義: "北アイルランド問題の起源とその構造-2つのナショナリズムの対立-" 現代民族・ナショナリズム研究会(立命館大学). 1-13 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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