1 アメリカの食品業界におけるECR(efficient consumer response=効率的な消費者対応)の実態について (1) 情報システム等のインフラストラクチャーの整備という点では進展しているものの、他社との差別的優位性をもたらすようなパートナーシップについてはさほど進展していない。製造業と流通業の包括的なパートナーシップがどこまで可能か模索している状態である。 (2) 最近ではECRよりもカテゴリー・マネジメントという概念の方が重視されてきている。このことは、小売店頭での品揃えをめぐって製版が協力することが1つの重要な軸になってきていることを示している。 2 スーパーマーケットにおけるイノベーションの創造と模倣について (1) セルフ・サービスとキャッシュ・アンド・キャリーを核にして業態革新がなされていった。しかし、このような店頭でのイノベーションだけがスーパーマーケットの優位性をもたらしたわけではない。 (2) 遠隔地への大量輸送と保管という物流機能と、それを効率的に遂行するために必要な情報機能におけるイノベーションが存在していたことが推測される。また、組織管理の点でも革新がなされたことと考えられる。これについての具体的な検討は今後の課題である。
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