研究課題/領域番号 |
10874001
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
宮本 雅彦 筑波大学, 数学系, 教授 (30125356)
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研究分担者 |
藤田 尚昌 筑波大学, 数学系, 講師 (60143161)
増田 哲也 筑波大学, 数学系, 助教授 (70202314)
宮下 庸一 筑波大学, 数学系, 教授 (00000795)
林 正洪 筑波大学, 数学系, 助手 (60292497)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | テーター関数 / ラティス / モジュラー不変 / ヴィラソロ代数 / 自己同型群 / モンスター単純群 / 頂点作用素代数 / ムーンシャイン予想 |
研究概要 |
頂点作用素代数の概念は現在、2次元共形場理論を代数化したものと理解されているが、2次元共形場理論がモジュラー不変形を仮定するのに対し、頂点作用素代数の公理には入ってはいない。しかしながら、ズーが証明したように、強いモジュラー不変性を示している。 本研究は研究代表者の宮本がテーター関数の拡張となるものを頂点作用素代数の上で定義したのが出発点であり、後にその性質の研究から多変数のテーター関数へと拡張された。即ち、ランクnの頂点作用素代数Vに対して、次数作用素L(0)とウエイト1の元vを使ってトレイス関数ch(v,z)=tr|V exp(2πiL(0)z+v(0))を定義することが出来る。ラティスから構成される頂点作用素代数に対してこれを適用すると、一般的なテーター関数(のデデキントのエーター関数のn乗倍)が得られる。さらに、ヴィラソロ元の代わりに、共形元の直和を使うと、多変数のトレイス関数が頂点作用素代数から定義でき、それらに対して群の作用による不変性を求めることが本研究の目的である。前年度では、この関数のモジュラー変換の公式を示し、通常のテーター関数と同様にモジュラー不変の性質を持つことを示すとともに、より強い保形性が成り立つのではないかと期待された。最終年度である平成11年度ではその事実を考察し、多変数のテータ関数を導入することに成功した。しかも、その多変数のテータ関数が高い保型性を持つことも証明し、国際会議で発表した。これらの事実を考察すると、そこには頂点作用素代数のウエイト2の空間であるグライス代数の可換部分代数が関係しているように理解できる。この事実は頂点作用素代数のモジュラー不変性に関する新たな手段を提供するのではないかと期待できる。
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