研究課題/領域番号 |
10874033
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
大域解析学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
名和 範人 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (90218066)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 非線形 / シュレディンガー方程式 / 解の爆発 / 特異点の生成 / 確率過程 / ネルソン拡散 / ブラウン運動 / 重対数法則 / 非線形Schrodinger方程式 / Nelson diffusion / 量子化 / mesoscopic系 / 非相対論的場の量子論 / 古典力学系 |
研究概要 |
1.擬共型変換で不変であるような非線形シュレディンガー方程式の爆発解の爆発時刻付近の漸近挙動および極限形状について研究をおこなった。より精密な情報を得るためには、爆発解の爆発オーダーを知る必要となった。数値実験や発見的な議論で予想されているような爆発のオーダーを、厳密に数学として証明することを目指して、これまでの漸近解析の方法とは異なった視点である確率論的な立場からこの問題を考えた。爆発解の爆発オーダーは非線形シュレディンガー方程式の解に対応する拡散過程(ネルソン拡散)を通して、ブラウン運動の重対数法則と結びついているらしいことが分かってきた。 2.これまでは「エネルギー有限」なクラスで解を考えて来たが、それより弱い単に「自乗可積分なクラス」の非大域解の極限形状についても考察を進めた。結果、この解のクラスにおいても極限形状(解の絶対値の自乗から定義される極限測度)にはある大きさ以上のディラック測度が含まれることが分かった(論文準備中)。 3.最近では、もう一度、非線形シュレディンガー方程式をその導出から見直すことによって、新しい知見や解析の方向性が見えてくるのではないかと考えている。実際に「非線形媒質中のレーザービームの自己集束」のモデルとしての非線形シュレディンガー方程式の新しい導出をネルソン過程を用いて行った。これにより、確率過程論を用いた新しい解析の方向性が見えてきたような気がする。
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