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統計力学的手法による宇宙空間プラズマの緩和過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10874068
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 超高層物理学
研究機関福井県立大学

研究代表者

中村 匡  福井県立大学, 生物資源学部, 助教授 (70270436)

研究期間 (年度) 1998 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード無衝突プラズマ / Vlasov方程式 / 非等方磁化プラズマ / エントロピー / Lynden-Bell統計 / イオンサイクロトロン液 / 最大エントロピー原理 / 銀河形成
研究概要

本年度は前年度の温度非等方性の研究を拡張する目的で,非等方性がある場合の熱力学について研究した。
統計力学の枠組みでは,カノニカル分布を導出する議論では,エネルギーが示量性の保存量であるという事実しか使っていない。したがって,他の保存量についても,全く同じ議論ができる。したがって,「温度」という概念は,それぞれの保存量に対してひとつづつ定義できることになる。たとえば,運動量に対して「温度」に対応するものを計算すると,重心の並進運動量をエネルギーで割ったものになる。それに対してエントロピーは全体の系に対して唯一定義されることが示せる。
この事実を温度非等方性のあるプラズマに応用すると,非等方性に対応して存在する二つの温度は,単なる「平均エネルギー」と意味だけでなく,真に「温度」という概念に対応していることがわかる。それに対して,温度非等方性のある場合には,ふたつあるのか,ひとつだけなのかはっきりしなかった「エントロピー」の概念は,ひとつだけ存在すると考えるのが正しいことがになる。さらにこの考察をすすめると,温度非等方性のある場合にヘルムホルツやギブスの自由エネルギーの拡張にあたる種々の自由エネルギーが定義可能で,プラズマを温度非等方性のある流体として熱力学的にあつかうことができるようになる。この結果はたとえば,磁気圏中の衝撃波の存在条件を,非等方性の効果までいれて考えることを可能にするなどの応用が考えられる。
現在,この結果を論文にまとめている最中である。また,これ以外に無衝突プラズマの統計力学を考える基礎として,シュレディンガー方程式にハートレー近似を使ってブラソフ方程式を導出する方法を案出し,現在細部を検討中である。

報告書

(3件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tadas K.Nakamura: "Limit of Temperature Anisotropy Relaxation by Ion Cyclotron Waves : a Statistical Theory,"Physics of Plasmas. 7. 4812-4815 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Tadas K. Nakamura: "Statistical Mechanics of a Collisionless System Based on Maximum Entropy Principle"Astrophysical Journal. 531(掲載予定). (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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