研究課題/領域番号 |
10874093
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
町田 憲一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00157223)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 希土類錯体 / 太陽光 / 波長緒変換 / ORMOSIL / 透明蛍光体 / 蛍光 / 太陽電池 / 光一電変換 |
研究概要 |
シリカと有機シランとの複合体であるORMOSIL(Organically Modified Silicate)にユウロピウムフェナントロリン錯体またはテルビウムビピリジル錯体を導入し、可視域に高い透光性を有する赤色および緑色蛍光体ガラス成形体あるいは薄膜をゾル-ゲル法を用いて作製した。得られた透明蛍光体の蛍光強度はテトラエトキシシランから誘導されるシリカ成分とジエトキシジフェニルシランなどから誘導される有機シラン成分の割合に大きく依存し、ユウロピウム錯体では有機シラン成分の多い領域で、またテルビウム錯体ではシリカ成分の多い領域で、それぞれ蛍光強度は最大となることがわかった。さらに、ORMOSILマトリックスに導入する錯体濃度ならびに試料に残存している水あるいは有機溶媒を取り除くために熱処理条件を最適化することにより、得られた透明蛍光体の相対蛍光強度は市販の無機蛍光体に対して高いもので60%にも達することが明らかとなった。 次に、得られた高輝度透明蛍光体薄膜を石英板にディップコートし、ユウロピウム錯体の紫外光を赤色光へ効率的に波長変換する作用を利用した太陽光集光板としての機能を検討した。得られた薄膜の厚さは、一回のコーティングでおよそ0.1-0.2mmとなり、重ね塗りをすることにより0.5mm程度の膜厚の薄膜が得られた。その結果、紫外域に分光感度を持たない単結晶シリコン太陽電池の短絡電流が蛍光体薄膜の波長変換作用のために、被覆しない場合に比べおよそ10%増大することが明らかとなった。
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