研究概要 |
1、キアンテン型スペーサーを介して、ピロメリットイミドとジピロメテン色素のドナーアクセイプターペアと亜鉛ポルフィリンとナフタレンイミドのドアーアクセイプターペアを対面型に配置したモデルを合成し、その光励起ダイナミックスを調べた。何れも水平方向よりは垂直方向に非常に速い電子移動経路を持つことがわかったが、ジピロメテン色素から亜鉛ポルフィリンへの励起エネルギー移動が極めて速いため、一方の色素の選択的な励起が難しいことも判明した。二つのドナーアクセイプターの電子移動が互いに相互作用しあっていることはわかるが、その詳細は今後くわしく調べる必要がある。 2、二つのポルフィリンをジアリールエテンで様々なスペーサーで架橋した分子を合成した。両者が直接結合したモデルや1,4-phenylene で架橋した場合は,励起ジアリールエテンからポルフィリンへの速い励起エネルギー移動のために,まったく異性化しないことがわかった。一方,diphenylethynylで架橋した場合は,ポルフィリンが結合していない分子と同様な量子効率で異性化することがわかった。
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