研究課題/領域番号 |
10874103
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
佐藤 正明 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (70128768)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 液晶性 / 導電性 / ポリアニリン / 電解 / 重合反応 / 酸化還元 / スメクティック / 化学修飾 / 酸化重合 / ネマティック / 偏向 |
研究概要 |
液晶性と電導性を合わせ持つ新規のポリアニリン誘導体の開発を目指して、種々の合成化学的な検討をポリアニリン系について行った。 しかし、この2年間における検討では、液晶性を発揮させようとすると、導電率が半導体レベルにまで低下し、逆に導電率を高めようとすると、液晶性が消失するというジレンマにぶつかっている。関連する研究は筑波大学の赤木氏なども行っているが、やはり液晶性と導電性を兼ね備えることは困難であるとの結論に至っているように思われる。問題は導電性を有する高分子への置換基の導入にある。高分子に液晶性を付与することは、長鎖の置換基を導入することで達成されるが、それは同時に高分子鎖間の距離を大きくして、相互作用を減じる方向に働く。液晶性が出現し、高分子鎖が規則的に配列したところで、高分子鎖間の相互作用が薄らぐと全体のチャージキャリヤー移動度が減少してマクロな電導率は低下する。従って、高分子鎖を配列させるための置換基は、導電率の観点から考えるとマイナス方向に働くと結論せねばならない。 私は柔軟なアルコキシル基と、剛直なビフェニル基を置換基として選んだ結果、一般の電解重合法では重合しないものの、重合反応を液晶状態で行うという極めてユニークな方法を開発することにより、液晶性のポリアニリン誘導体を得ることができた。このポリマーは80〜100℃でスメクティックC相をとる興味深い高分子であった。この報告は現在投稿中である。しかし、導電率に関しては残念ながら10^<-3>S/cm以下と低く、問題は残されたままである。今後の課題としては、いかにして規則的な構造を導入した上で、高分子鎖間の相互作用を高めるかにある。
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