研究課題/領域番号 |
10874128
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤原 晴彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (40183933)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 紋様形成 / 擬態 / 変態 / エクダイソン / 幼若ホルモン / 表皮 / メラニン / 昆虫発生 / 昆虫 / 紋様 / カイコ / 体表 / パターン形成 / 遺伝子 |
研究概要 |
体表の紋様は昆虫に限らず多くの動物に見られ、形態とともにその生物を特徴づける大きな指標ともいえる。また、昆虫などでは体表の紋様は擬態として生体防御に役立っている。そこで、昆虫の体表の紋様形成を制御する遺伝子の実体を調べる目的で、カイコ幼虫のクチクラ構造が形成される 4 齢眠期(脱皮期)に特異的に合成される遺伝子をDifferential Display(DD)法によって検索した。その結果、GlyGlyTyr という特有な繰り返し配列を多数もつ新規遺伝子GGYrepeat cuticle protein 1(GCP1)が、エクジステロイド濃度のピーク直後に発現していることが判明した。GCP1は、皮膚以外の組織(翅原基・脂肪体・精巣・絹糸線)では発現しておらず、またその発現には、エクジステロイドのパルス(エクジステロイドへの上昇と低下)が必要であることがわかった。これは、エクジステロイド濃度がいったん上昇した後低下(パルス)してはじめて誘導されることが報告されているメラニン色素合成経路に関わる酵素 dopadecarboxylase(DDC)や、転写因子のFTZ-F1の発現パターンと類似していた。またjuvenilehormone(JH)による影響を調べたところ、GCP1の発現を抑制することが示唆された。カイコのいくつかの系統の真皮細胞では脱皮期の同じ時期に特異的な紋様が形成されることから、GCP1がメラニン合成の制御やメラニンの局在性と関係している可能性がある。
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