研究概要 |
I.光ファイバー光学系の改良 Nd:YAGレーザーで励起された蛍光を分光器と光電子増システムによってフレキシブルに観測するために,昨年度の研究で光ファイバー光学系を採用したが,光ファイバー系による観測蛍光の減衰が激しかつた.そこで,本年度は光ファイバーの素材,太さなどを種々変化させて測定を行い,最適素材の選定により観測光のS-N比を向上させた.さらに,入射光側の光ファイバーの採用によるS-N比の劣化が認められる原因を明らかにして改良した. II.レーザー励起蛍光物質の選定実験 高温においても十分に観測可能な蛍光を得るために,YVO_3:Eu,Y_2O_2S:Eu,ZnS:Agその他の物質を選定し,その蛍光特性の詳細を確認した.その結果,青色系の蛍光物質であるZnS:Agは,蛍光持続時間は短いが,高速回転体の温度計測には必要な高速応答性を持つことが明らかになった. III.高温・高速回転体の試作実験 実翼モデルとしての高速回転体を高温化する方法として,ガスバーナーのような燃焼現象を使わずにパイプヒーターによる内面加熱法や,ハロゲンランプの集光を利用して回転体のスポット加熱法を用いた実験を実施した.また,回転体からの温度データー取得に関する計測法を確立するために,回転体の回転数制御を行い,パソコンを利用して回転に同期した温度計測を行った.その結果,本研究のレーザー励起蛍光法は,高温回転体の温度測定に適用可能であることを明らかにした.
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