研究課題/領域番号 |
10875070
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤原 康文 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10181421)
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研究分担者 |
野々垣 陽一 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (40300719)
田渕 雅夫 名古屋大学, 工学部, 講師 (90222124)
竹田 美和 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20111932)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 希土類元素 / III-V族半導体 / 有機金属気相エピタキシャル法 / ジスプロシウム / 2〜3μm帯発光 / Dy / OMVPE法 / 半導体レーザ / Er / InP / GaInP / 量子ドット |
研究概要 |
本研究では、2〜3μm帯にスピン軌道準位間遷移を示すことが予測されるDyを添加した各種III-V族半導体を有機金属気相エピタキシャル(OMVPE)成長装置を基本とした、既存の原子層制御エピタキシャル成長装置を用いて作製し、Dy発光特性を解明することを第一の目的とする。その際、既に掌握している蛍光EXAFS法やX線CTR散乱法といったミクロ構造評価技術を用いてDy原子周辺局所構造と発光特性の関連を明らかにする。さらに、それら材料の特性を存分に発揮した室温で動作する「Dy発光準位を利用した2〜3μm帯発光デバイス」の試作を行うことを第二の目的とする。 本年度は、Dy原料にDy(MeCp)_3を新たに開発し、GaAsおよびInPへのDyドーピングを行うとともに、成長層中に添加されたDyの振舞いを評価した。 二次イオン質量分析(SIMS)測定の結果、成長層中のDyが均一に添加されていること、また、その濃度はDy原料を通過する水素流量により制御できることを明らかにした。GaAsにおいて、1.1μm、1.3μm、1.7μm、2.8μm近傍に、Dy^<3+>イオンの4f殻内遷移(^6H_<7/2>,^6F_<9/2>-^6H_<15/2>、^6H_<9/2>、^6F_<11/2>-^6H_<15/2>、^6H_<11/2>-^6H_<15/2>、^6H_<13/2>-^6_<15/2>)に起因する特徴的な発光が観測された。半導体におけるDy発光の観測は世界で最初のものである。また、観測されたDy発光は試料作製時の成長条件に強く依存することを見出した。一方、InPにおいてはGaAsに比べてDy発光強度が1桁程度低く、GaAsとは異なる発光スペクトルを示すことを明らかにした。
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