研究課題/領域番号 |
10875083
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計測工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
笹田 一郎 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (20117120)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | イメージング / 磁気異方性 / マイクロプローブ / アモルファスワイヤ / 近傍磁界 / 渦電流 / 結晶粒界 |
研究概要 |
光学的に不可視な強磁性体や導体における構造異常を数センチオーダーの平面領域においてイメージングする技術の確立を目的として、近傍磁界を検出媒体とするマイクロ磁気プローブの開発を行った。下記3点について重点的に実施した。 (1)新方式プローブの開発 U字型の励磁コイルと検出コイルの2つからなり、上面から見てこれらが十字型に直交する構造を持つプローブ(Dahle1954)は、十字方向に不感帯がある。本研究では、この不感帯の位置を45゚回転させた方向に持つ、新たなプローブを開発した。この新プローブは、Dahle型のプローブにおいて、巻き線の数を2倍に増やし、電気的なブリッジ結線とすることで実現される。これによって、Dahle型のプローブと新方式プローブとを時分割的に切り替えることが可能となり、互いの不感帯を補完するオールラウンドなプローブが実現可能となった。 (2)マイクロプローブの製作 マイクロプローブはブリッジ回路動作に基づくものであり、その性能はプローブの構造の対称性に大きく依存する。このため、製作技術を検討した。結果的には、超音波加工機で穴加工の可能な石英ガラス基盤(0.7〜l.0mm)に、アモルファス磁性線(直径120μm)を通すための径140μmの4つの穴加工したものを利用するのが良いことを突き止めた。これによって0.5mmの正方形フットプリントを持つマイクロプローブの試作に成功した。また、この縮小化によって空間分解能が大きく向上したことを確認した。励磁条件は100kHz16〜15mAとした。 (3)一方向空間微分特性を有するプローブの製作と評価 上記の技術によって、一方向のみに空間微分特性を持つ新たなプローブを試作し、点広がり関数の測定およびテストサンプルの画像化実験を行い、良好な一方向微分特性が得られていることを確認した。これによって、検出コイル1個からなる比例型に加え、一方向微分型、直交2方向微分型がそろうこととなった。
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