研究課題/領域番号 |
10875095
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地盤工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大西 有三 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026348)
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研究分担者 |
田中 誠 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20263105)
大津 宏康 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40293881)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | カオス理論 / ラフネス / 不連続面強度 / フラクタル特性 / 不連続面幾何学形状 / 不連続面 / せん断強度推定 / 不連続面の削れ / 岩盤不連続面 / 幾何学形状解析 |
研究概要 |
「複雑系の科学」の中でも代表的なフラクタル、ゆらぎ、カオスに至る一連の理論を基に、不連続面ネットワークの生成過程の表現や岩盤不連続の表面形状の数学的表示の新しい方法を開発することを試みた。カオス理論は、その定義として、「決定論的な系において起こる確率論的なふるまい、言い換えると専ら法則によって支配されながら法則性のないふるまい」が当てられている。岩盤の不連続面生成のダイナミックスは地質学的に、かつ力学的に非常に複雑な過程を経ている。この複雑さの把握にカオス理論を適用するために、他分野でのカオス理論の適用例の整理、既存の理論の検討、フラクタル理論との関連などについての議論を行った。 カオス力学的の相関次元はフラクタル次元の一種であって、カオス時系列解析に重要な役割を果たしている。この特性を利用するために、たとえば岩盤不連続面表面の形状を、空間を時間に置き換えた時系列とみなすこともできるとして、不連続面の形状解析に適用できるように、不連続面データの確立論的な解釈をフラクタル理論から見直し、カオス理論への展開を検討した。得られた主な成果は、次の通りである。 1) 不連続面表面の一部の凹凸情報を基に、カオス理論を用いた外挿による推定方法から未知の部分の幾何学形状を予測できることが明らかにした。 2) 不連続面の計測データが粗いとき、フラクタルによる内挿により不測定部分を推定できることを示した。 3) 岩盤表面凹凸計測レーザ装置や画像解析装置を使って、実際の岩盤の不連続面幾何学情報を得た上で、不連続面データの収集とその解析および岩盤不連続面の表面形状の数学的表示プログラムの作成を行った。 4) 岩盤表面の幾何学形状解析から不連続面のせん断強度を算定する方法論を検討し、削れを考慮したせん断破壊数値モデルを提案した。
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