研究課題/領域番号 |
10875128
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 亮輔 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (80179275)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | オゾン / 過酸化物合成 / 高温X線回析 / 過酸化銀 / 過酸化クロム / 熱方学 / オゾン酸化 / 高温酸化 |
研究概要 |
オゾン(O_3)を非平衡・高濃度に含むオゾン-酸素混合ガスは、純酸素の1万倍もの高い化学ボテンシャルを有するきわめて化学活性な酸化剤であり、高温状態に未分解のオゾンガスを多量に導入できれば純酸素ガス1気圧では到達し得ない酸化性雰囲気を達成し得るとの着想を得、高温分解性オゾンガスを用いた無機酸化物の新高温合成法を開発している。このためにはオゾンガス酸化性雰囲気に耐える高温X線回折計によるin-situ測定が望ましい。 現有の高温X線回折装置を改造しオゾン発生器より高濃度6.5%O_3及び低濃度ガス2.8%O_3を直接試料に対して吹き付けるようにした。X線窓材料の選択、試料のみの加熱方法、温度制御、温度測定、水冷、防毒防爆対策、廃オゾンガス処理、等に実験的工夫を組み込み、入口と出口でオゾン量を新規導入のオゾン濃度計で測定できるその場測定装置を完成させた。 純銀にオゾンを作用させると、Ag_2O以外に高酸素圧相Ag_2O_2を合成できることをすでに報告しているが、Ag_2O_2を合成できる最高温度は以前に報告した466Kよりも高い523Kであることを高温X線回折計によるin-situ測定で明らかにした。これは不完全な熱力学データの外挿値より100K以上高い温度であり、Ag_2O_2の熱力学データを再検討する必要性を示した。 次に、報告例のないCr_2O_3に対して作用させると、2種類の過酸化クロムCr_2O_5,CrO_3の合成を検出したが以前に報告した3種類の他の過酸化クロムの直接合成は認めがたい。よってこれらはオゾン酸化後の冷却途中にCr_2O_5及びCrO_3が分解して生成したものと判断される。この成果はオゾン酸化に対し、その場測定の有用性を示した。 その他過酸化物の合成が期待される種々の無機酸化物について、高温X線回折計によるその場測定法は効率よく探索する手段を与え、現在精力的に調査している。
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