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ラム波モーダル解析によるクロスプライCFRPの衝撃損傷の発生・伝播の検出と解明

研究課題

研究課題/領域番号 10875130
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 複合材料・物性
研究機関青山学院大学

研究代表者

竹本 幹男  青山学院大学, 理工学部, 教授 (40082838)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワードラム波 / モーダル解析 / CFRP / 衝撃 / 圧電フィルム / 人工破壊源 / YAGレーザ / コンフォーカル・ファブリ・ペロー干渉計
研究概要

ラム波のモーダル解析によって、円筒フランジで周辺固定されたクロスプライCFRP積層板(2-6mm厚さ)に直径7mmの鋼球が衝突(4-40m/s)するときの鋼球速度と衝撃力、衝撃力持続時間、内部損傷発生限界速度の関係を定量化した。衝撃力の正確な測定は、薄い積層板が自励振動するとともに、大規模な層間剥離が発生するため極めて難しい問題であるが、ラム波Soと初動Aoモードに対して実験一括応答関数を用いるシンプレックス援用波形シミュレーションによって正しく推定する方法を開発した。すなわち、シャープペンシルの芯の圧折によって励起されるラム波を圧折の原波形(0.9μsの立上がり時間と開放力6Nをもつステップ状関数)でガウスザイデル時間領域逆畳込み積分して一括応答関数を求める。次に、11次のフーリエ級数で近似した非対称逆山形衝撃力を仮定し、この原波形と一括応答関数の畳込み積分で得られる波形を実測ラム波形と一致させるための繰返し計算を行う。このとき、非対称山形波形の形状は、計算と実測波形が一致するように、フーリエ級数をシンプレックス法を用いて変化させることによって求めた。この方法によって、衝撃力とその時間履歴(モーメンタム)を求めることが可能になった。推定衝撃力履歴は、マス・スプリングモデルによるそれと、最大衝撃力はエネルギー・バランスモデル(衝撃点における板の最大たわみから計算)によるそれとを比較したが、マス・スプリングモデルではヘルツの接触力を測定するためラム波形シミュレーションによる値の40倍以上も大きな値を示す。一方、エネルギー・バランスモデルから推定される衝撃力は、低速鋼球範囲ではラム波から求めたそれらとほぼ一致するが、高速になると大きな層間剥離(衝撃裏面の繊維方向に沿うラグビーボール状の剥離)が発生するため一致しなくなることを明らかにした。すなわち、色々な方法の中でも、ラム波形シミュレーション法は、最も正確に衝撃力と持続時間を推定できることが示された。
また、線及び点状レーザの断熱膨張を破壊源としてラム波を発生し、ウエーブレット係数等高線図の類似度を調べることによって、繊維破断、トランスバースクラック、マトリックスクラック(スプリッティング)、デラミネーションなどの内部損傷を分類する方法を提唱した。本研究によって、測定の難しかった衝撃力履歴や、損傷の分類と進展挙動を明らかにすることが可能になった。

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Y.Mizutani, K.Nagashima, M.Takemoto and K.Ono: "Fracture mechanism characterization of cross-ply carbon fiber composites using aocustic emission analysis"Non-destructive and Evaluation. Int.. 33-2. 101-110 (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Mizutani, M.Takemoto, H.Cho and K.Ono: "Characterization of the Lamb Waves Produced by Local Fracture in Brittle Plate"Journal of Acoustic Emission. 16. S115-124 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Mizutani,M.Takemoto,H.Cho and K.Ono: "Characterization of the Lamb Waves Produced by Local Impact Fracture in Brittle Thin Plates," Progress in Acoustic Emission. IX. III. 1-10 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Mizutani,K.Nagashima,M.Takemoto and K.Ono,: "Fracture Mode Classification in Locally Loaded Cross-ply CRFRP coupons Using Wavelet Transform." Proceeding of the Sixth International Symposium on Acoustic Emission From Composite. 114-123 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Mikio Takemoto et.al.: "Fracture Mode Classification Using Wavelet-transformed AE Signals from a Composite," J.Acoustic Emission,. 15-(1-4). 19-32 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Mizutani and M.Takmeoto: "A Simplified Elastic Stiffness Estimation of Unidirectional Carbon Fiber Reinforced Coupon Using the in-plane Velocity Anisotropy of Lamb Waves," Jpn.J.Apply.Phys,. 37. 3110-3115 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 水谷義弘、竹本幹男: "レイリー波速度の面内異方性を用いた一方向強化GFRPの弾性スティフネスの推定、" 非破壊検査、. 47-6. 417-423 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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