研究課題/領域番号 |
10875136
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
馬越 佑吉 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00029216)
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研究分担者 |
安田 弘行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60294021)
中野 貴由 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30243182)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 磁性 / 疲労 / 破壊 / 転位 / 寿命予測 / 信頼性 / 変形 / 面欠陥 |
研究概要 |
強磁性体に磁場を負荷すると結晶は歪み、いわゆる磁歪を生じる。逆に結晶の歪場に依存して磁気スピンが乱され磁気特性が変化する。これを利用して磁気特定の測定により転位の種類、密度、分布等の観察が可能である。本研究では、交番応力負荷条件下のNi_3Feの変形挙動を疲労硬化曲線、変形微細組織変化、表面すべり線形態観察といった結晶塑性的立場から調べた。また、このような微細組織を磁気異方性により観察した。得られた主要な研究成果は次の通りである。 (1)Ni_3Fe単結晶の疲労硬化挙動は合金の規則度に強く依存した。不規則状態では通常の合金と同様、変形の進行に伴って徐々に硬化し、飽和に達した後破壊に至る。一方、規則状態では、変形初期に急速に疲労硬化を示し、その後応力振幅が低下する疲労硬化現象を示す。 (2)規則状態のNi_3Feに現れる疲労硬化現象と粗いすべり帯の形成が対応する。変形初期に形成されたすべり帯中での転位運動により規則度が低下し、変形応力の低下をもたらす。 (3)APB形成に伴う原子配列の乱れ、および転位近傍の内部応力場は飽和磁化率に強い結晶方位異方性をもたらした。 (4)不規則状態のNi_3Feを疲労変形した結晶の飽和磁化率ならびに透磁率の異方性は60°転位による磁気異方性と良い一致を示した。 (5)規則状態のNi_3Feの疲労初期における飽和磁化率、透磁率は転位による応力場ならびに超格子転位によるAPBの相乗効果として現れる。しかし、疲労硬化段階においては磁気異方性においてもAPBの消失が認められ、結晶の不規則化が疲労軟化の主因であることが明らかとなった。
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